オンラインサロン運営のコツ

「オンラインサロンってどうやって運営するんだろう」「オンラインサロンを上手く運営するコツが知りたい」という方に向けて、オンラインサロン運営のコツについてまとめました。

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オンラインサロンの「始め方」については分かりやすい記事がたくさん書かれていますが、オンラインサロンを始めてからの「運営」については、なかなかイメージがわかない方も多いですよね。こちらのページでは、個人運営から企業や団体としての運営まで、幅広いケースで応用できる「オンラインサロン運営のコツ」を紹介していきます。

目次
  1. オンラインサロンを始めるには?
  2. オンラインサロンの「運営」とは?
  3. オンラインサロンのコンテンツとは?
  4. オンラインコンテンツ提供のコツ
  5. オフラインコンテンツの活用方法
  6. コミュニケーションのコツ
  7. 集客のポイント
  8. その他の作業について
  9. まとめ

オンラインサロンを始めるには?

オンラインサロンとは

オンラインサロンとは「オンラインに存在する、月額会員制のクローズドなコミュニティ」です。著名人はもちろん、個人運営のオンラインサロンも数多く存在します。

種類としては、スキルやノウハウを持つ人がオンラインで講座やセミナーなどを配信する「スキルシェア型」、タレント・アーティスト・スポーツチームなどのファンが集まる「ファンクラブ型」、趣味や関心、夢や目標などで集まり、交流・活動していく「テーマ交流型」、自社サービスのユーザーと繋がったり、ブランドとその愛用者が繋がったりする「ユーザーコミュニティ型」がありますが、複数のテーマで運営されているオンラインサロンもあります。

オンラインサロンの始め方

オンラインサロンの始め方を簡単に紹介すると、全部5つのステップに分かれています。

「①コンセプトやテーマの企画」では、まずオンラインサロンの ”土台” 部分を決めていきます。目的、ターゲット、会員のゴール、キャッチコピーなどを考えましょう。

「②プラットフォームの選定」では、アプリや決済システムなど、オンラインサロンの運営に必要な各種システムを用意します。オンラインサロン用のプラットフォームを利用すると運営のためのシステムが一括で手に入るので比較的手間や時間をかけずに開設することができますし、プラットフォームは利用せず自分で各システムを用意すると運営が始まってからの手数料を抑えることができます。優先順位を考慮して、プラットフォームを利用するかどうか決めましょう。

「③初期設計」では、費用やコンテンツなどオンラインサロンの中身や詳細を決め、システムに設定していきます。会員費用の設定、紹介サイトの作成、コンテンツの考案、利用ルール・ガイドラインの設定、ウェルカムメッセージの投稿、サロンの使い方・楽しみ方の案内、プロフィールの入力など、参加者を出迎えるための様々な準備を進めます。

「④告知・集客」では、告知〜募集まで1週間、募集〜開始まで1週間、合計2週間程度の期間を設けて、SNSなどで「こんなオンラインサロンを始めます!」という告知を行います。

「⑤開設」で、いよいよあなただけのオンラインサロンが始まります。会員との新しい学びや交流の場で、双方向のコミュニケーションを楽しみつつ、オンラインサロンを運営していきます。

以上がオンラインサロンの始め方です。下記ページではさらに詳しく解説しているので、ぜひこちらもご覧ください。

▶︎初めての方でも安心、オンラインサロンの始め方について

オンラインサロンの「運営」とは?

オンラインサロン 運営

運営とは、コンテンツ提供・コミュニケーション・集客

オンラインサロンが始まったら、いよいよ「運営」です。オンラインサロンの「運営」には、オンラインサロンが始まってからのあらゆる活動が含まれます。

オンラインサロン内での投稿やライブ配信、会員とのコメントのやり取り、もっと多くの人に参加してもらうための紹介、毎月無事に月額費用が決済されているかの確認、問い合わせへの対応など、ありとあらゆる活動がオンラインサロンの「運営」です。

それらは大きく分けると、コンテンツ提供、コミュニケーション、集客の3つに分類することができ、そのほかに細かな作業も発生します。

オンラインサロンの運営は大変?

「オンラインサロンの運営って大変そう」「オンラインサロンが初めてでも上手く運営できるのかな」「運営スタッフが少ない(または自分一人しかいない)から無理だ」と思う方もいるかもしれません。

しかし、いまオンラインサロンを運営している人は、著名人も個人も、ほとんどが初めての試みなので日々試行錯誤しています。また千人規模のオンラインサロンを数名で運営しているケースもありますし、個人運営のオンラインサロンもたくさんあります。もちろん人数が多い方が安心かもしれませんが、少人数ではオンラインサロンを運営できないということはないのでご安心ください。(ちなみに、不安な場合はオンラインサロン専門のプロデューサーも存在するので、そうしたプロのサービスを利用してオンラインサロンを運営することもできます。)

そして、オンラインサロンのスムーズな運営のためにはいくつかポイントがあります。以下で、「コンテンツ提供」「コミュニケーション」「集客」それぞれについて解説しているので、ポイントを押さえてオンラインサロン運営の参考にしてください。

オンラインサロンのコンテンツとは?

「コンテンツ」という言葉はエンタメ業界などで幅広く使われていますが、オンラインサロンでは「月額の費用を支払った会員にだけ提供する情報・場所・活動など」を指します。以下では、多くのオンラインサロンでよく使われるものをリストアップしています。

つぶやき/日記

オンラインサロン つぶやき 日記

名前は様々ですが多くのオンラインサロンで提供されています。オーナーが日々の様子、仕事の裏側、水面下で進行中のプロジェクト、様々な考え・想いなどをリアルタイムで気軽に投稿します。派生して、マネージャーやスタッフの目線でつぶやきを発信することもあります。クローズドな空間を生かして本音やここだけの情報を投稿しやすいのが特徴です。

ライブ配信

オンラインサロン ライブ配信

つぶやき/日記と並んで多くのオンラインサロンで用意されているのがライブ配信。オーナーが自由に喋ったり、質問や悩みに答えたり、ゲストを招いて対談したりと、様々な内容やテーマで配信できます。

オンライン交流会/座談会

オンラインサロン 交流会

ビデオ通話サービスなどを利用して、オンラインサロンに参加しているみんなで交流します。体験談を話したり、相談したり、情報交換をしたりできます。

オフ会/リアルイベント

オンラインサロン オフ会

直接交流ができるオフ会やリアルイベントを用意することも多いです。「オンラインサロンなのにオフライン?」と思った方は、《オフラインコンテンツの活用方法》をご覧ください。

最新情報

オンラインサロン 最新情報

出演情報・イベント情報など、活動について最新情報を発信します。「オンラインサロン限定でどこよりも早く情報を案内します」というケースも多いです。

オフショット

オンラインサロン オフショット

クローズドな空間なので、オーナーの素顔が感じられる写真・動画もアップしやすくなっています。オフの日の様子はもちろん、仕事の合間に撮った自然体な姿などをアップしていきます。

ラジオ/音声配信

オンラインサロン ラジオ

収録した音声の配信や、リアルタイムでの音声配信です。お便りを募集してそれに答えるなど、ここだけのラジオ番組を作るイメージです。

オンラインセミナー/オンライン講座

オンラインサロン セミナー

スキル・ノウハウ型のオンラインサロンで多く、学びに繋がる内容を解説します。動画としてアップすることもあれば、リアルタイムで配信することもあります。

コラム

オンラインサロン コラム

「つぶやき」よりも文章量が多めだったり、特定のテーマについて考えや意見を発信したりするイメージです。クリエイターの方や、執筆のお仕事をしている方、書籍を出したことのある方のオンラインサロンでよく見られます。

プロジェクト/企画

オンラインサロン プロジェクト

アンケートをとったり、みんなでミーティングをしたりして、様々なプロジェクトや企画を進めていきます。オリジナルグッズの制作、一般向けイベントの企画・運営など、内容も様々です。

部活動/サークル

オンラインサロン サークル

趣味や興味が同じ人同士で繋がり、交流できます。オンラインサロンのテーマに沿った活動もあれば、完全に趣味で繋がる部活動・サークルを立ち上げているケースもあります。

掲示板/質問コーナー

オンラインサロン 掲示板

誰でも好きなときに書き込める場所です。「自己紹介」「質問・相談」「雑談」などテーマに分けることが多いようです。オーナーが答える場合もあれば、会員同士での教え合いや情報交換を目的とする場合もあります。

面談/1on1

オンラインサロン 面談

オーナーと会員で1対1で話す機会を設けます。「月に◯回」「1回◯分」と区切りを設けることが多いです。ファンクラブ型のオンラインサロンであれば抽選にするなど人数限定で行うことが多いです。スキル・ノウハウ型のオンラインサロンであればアドバイスやフィードバックをする機会にできます。

以上がオンラインサロンでよくあるコンテンツです。その他にも、「会員証の送付」「オリジナルグッズのプレゼント」「ライブやイベントの先行案内」などを用意するサロンもあります。

オンラインコンテンツ提供のコツ

オンラインサロン運営の中心とも言えるオンラインコンテンツの提供ですが、ポイントを抑えるか抑えないかで大きく変わってきます。気をつけるべきポイントを網羅しているので、オンラインサロン運営の参考にしてください。

オンラインサロン コンテンツ提供

読むだけ・見るだけでも楽しめる内容にする

「交流」や「双方向性」が特徴のオンラインサロンですが、実は会員のうち積極的に投稿や発信をしてくれる人たち、いわゆる「アクティブユーザー」は2割程度と言われています。残りの8割は比較的受け身の参加者たちです。

そのため、読むだけ・見るだけでも十分に楽しめるものをメインにオンラインサロンを運営していくのがポイントです。参加型のものばかりだとハードルが高く、「楽しめない」「自分には合わない」と感じさせてしまうことになり、だんだんログインしてもらえなくなったり、退会に繋がってしまうこともあります。

テーマ交流型など会員の参加が運営の肝になるオンラインサロンについても、「投稿したい人はどんどん投稿してくださいね。けど見ているだけがいい人は、他の人のやり取りを見たりいいねを押したりするだけで大丈夫ですよ」と伝えてあげましょう。

会員が書き込める場所も用意する

読むだけ・見るだけで楽しめる内容にするのを前提に、会員が書き込める場所もぜひ用意しましょう。オーナーの発信だけでなく会員同士の交流もできる場所にしておくことで、オンラインサロンの価値が高まります。

さらに、コンテンツ提供がオーナーの投稿だけだと、忙しい時にオンラインサロンの運営が止まってしまうリスクもあります。誰でも書き込める場所があれば、頻繁に顔を出すのが難しい時期も盛り上がったり楽しんだりしてもらえるので安心です。(詳しくは、《理想は毎日更新、ただしオーナーが全てやらなくてもOK》で説明しています。)

具体例としては、「自己紹介」「お悩み相談」などオンラインサロンのテーマについて情報交換ができる掲示板はもちろん、「旅行サークル」「キャンプ部」など、オンラインサロンのテーマに関係なく気軽に書き込める部活動やサークルもおすすめです。

定期コンテンツを作り、曜日や日付を固定する

一部は「週に1回」「月に1回」など定期更新にして運営していくのがおすすめです。全て不定期だと、「本当に更新されるのかな」「お金を払って入って大丈夫だろうか」と不安を与えてしまいます。「週に1回」など目安を設けることで「週に1回ということは、月に4回はこれが更新されるんだな」と安心感を与えられます。

さらに、可能であれば定期コンテンツは「毎週月曜日」「毎月15日」など曜日や日付を固定しましょう。曜日を固定して会員の生活サイクルの中にオンラインサロンに来ることを習慣化できれば、他の投稿も見てもらえてオンラインサロンの価値を感じてもらいやすくなります。結果的に長期的な利用に繋がり、LTVの向上も期待できます。

オンラインサロンと公式SNSの使い分けは?

オンラインサロンのメリットは「クローズドな空間ならではの情報を発信できる」点なので、それを基準に使い分けをすれば運営上困りません。不特定多数の人が見ている公式SNSでは情報の取り扱いで気にしなければならないことが多数ありますが、オンラインサロンに集まるのはコアなファンやオーナーを良く知っている人たちなので、情報の取り扱いに融通が利きます。

オンラインサロンではオーナーの人となりや人柄、素顔が知れるようなプライベートに近い投稿をしたり、一般公開前の情報を先行解禁したり、みんなでオリジナルグッズなどのプロジェクトを進めたり、「クローズドな空間」だからこそ様々な運営の可能性を持っているのがオンラインサロンです。

人気コンテンツの秘訣は”裏側”

人気のオンラインサロンでは、タレントの仕事の裏側、事業家がアイデアを形にするまでの裏側、プロスポーツチームの裏側など、”裏側” に関する情報を発信しているという特徴があります。

裏側というのは、実はとても魅力的な情報なんです。会員は普段、表舞台や成果物を見る機会しかありません。舞台裏の様子や、成果物が出来上がるまでの過程というのは、とても気になるレア情報なんです。

「〇〇の裏側」というコンテンツを一つ作るのも良いですし、日々のちょっとしたつぶやきをアップする際に ”裏側” を意識して運営するのも良いでしょう。

理想は毎日更新、ただしオーナーが全てやらなくてもOK

理想的なのは、毎日何かしらの情報更新があることです。会員は、有益な情報、オーナーとの繋がり、交流や居場所などに価値を感じて毎月お金を払います。どの比重が大きいかは異なりますが、「継続的な価値提供」がポイントなのはオンラインサロンの運営で共通です。そして価値を継続的に提供するには、日々何かしらタイムラインが更新されているというのがとても重要なんです。

ただし、その全てをオーナーが担う必要はありません。掲示板での会員の書き込みも含めて、毎日何かしらの更新があれば大丈夫です。そのためには、普段から「皆さんも気軽に投稿してくださいね」と呼びかけたり、会員の投稿にいいねやコメントをしたりするようにしましょう。(この部分については、《会員の「いいね」・コメント・投稿には早めにリアクションする》で詳しく説明しています。

オフラインコンテンツの活用方法

意外かもしれませんが、実はオフラインコンテンツはオンラインサロンの運営に非常に有効です。多くのオンラインサロンではリアルでのオフ会や交流会などを用意して「オフライン」を活用しています。

オンラインサロン コンテンツ活用

オンライン × オフライン でオンラインサロンが活性化する

多くのオンラインサロンでオフラインを活用しているのは、オーナーも会員も直接交流してお互いの人となりや雰囲気を知ることで、オンラインサロン内部でのコミュニケーションがさらに盛り上がると期待できるからです。

もちろん、交流しない方向性だったり顔出しできない人が多かったりもするので一概には言えませんが、オンラインサロンこそ、オフラインイベントを活用して運営していくのがおすすめです。

オフラインコンテンツって何をすればいいの?

具体的にどんなオフラインコンテンツを企画すればいいかもご紹介します。手軽なのは「オフ会」「交流会」など自由に話せる場を設けることです。フリートークが難しそうな場合は、「〇〇座談会」「〇〇を語る会」などあえて特定のテーマを設けて開催するのも良いでしょう。参加した人も質問や相談がしやすいですし、あるある話や情報交換で盛り上がります。

他にも、スキルシェア型なら情報交換やネットワークづくりを目的とした会、ファンクラブ型であれば生誕祭やファン感謝祭、テーマ交流型であればみんなで趣味を実践したりタイムリーな時事問題を考える会、ユーザーコミュニティ型なら新サービスのお披露目会・体験会なども良さそうです。

ライブ配信や実施レポートでオンラインコンテンツにもできる

オフラインコンテンツの様子は、オンラインコンテンツとして発信することもできます。ライブ配信ができる環境があればリアルタイムでトピックや雰囲気を伝えることができますし、実施後にレポートとして「何の会だったのか」「どんなことしたのか」「どんな様子だったか」「何で盛り上がったのか」などを画像や動画付きで伝えることができます。

当日の様子をオンラインコンテンツ化するのには、オンラインサロンを運営する上で3つの目的があります。まず、当日参加した人の満足度を高めてまた参加してもらうこと。次に、参加できなかった人に次回以降のイベントに参加してもらうこと。最後に、まだ参加したことのない人や最近入った人の参加に繋げることです。

コミュニケーションのコツ

盛り上がるオンラインサロン運営のためには、コンテンツだけでなくコミュニケーションのとり方もカギとなります。オーナーとして行動する際には、以下の内容を意識しましょう。

オンラインサロン コツ

コメント・投稿には早めにリアクションする

ほとんどの会員はオンラインサロンが初めてで、いいねを押すだけでも緊張したり、コメントや投稿するときには「これで合ってるのかな」と不安に感じたりしています。そういった緊張や不安を和らげるために、なるべく早く肯定的なリアクションをしてあげることが大切です。いいねがついたりコメントがもらえると嬉しいですし、何よりオーナーの後押しが安心感に繋がり、「こういう感じでいいんだな」「また書き込んでみよう」と積極的に楽しむことができます。

具体的な行動としては、自分の投稿に会員からコメントが付いたときは、メンション機能を使ってなるべく早めに返信をしましょう。特に、会員自ら投稿してくれたときは早めに「いいね」を押したり、コメントをしましょう。

また、普段から気軽な参加を呼びかけるのも有効です。「ぜひ気軽にいいねを押してください」「コメントをもらえると励みになるし嬉しいです!」「皆さんもちょっとしたことを投稿してみてくださいね」「他の方の投稿にも、ぜひいいね・コメントしてみてください」などと呼びかけてみましょう。

温度感のあるコミュニケーションを心がける

お金を払っていただいている以上、その対価として「継続的な価値提供」は運営の上で必須です。ただ、それを前提とした上で、「温度感」を意識してコミュニケーションをとってみましょう。

温度感のあるコミュニケーションのためには、口語調でコメントを返したり、ときには絵文字を活用したりするのが効果的です。かしこまりすぎないコミュニケーションをとることで、オンラインサロンの魅力の一つであるオーナーとの距離の近さを感じてもらい、安心して楽しんでもらえるからです。

もちろん、ビジネスライクな対応が向いていることもあるので、オンラインサロンの内容などをもとに判断してください。

利用ルールやガイドラインを設定し、判断基準にする

オンラインサロンを運営する中で、オーナーとしてどう行動すべきか迷うときや、もしかしたら会員同士でトラブルになりそうなときもあるかもしれません。そんなときのために、オンラインサロンの利用ルールやガイドラインを設定して全体にアナウンスしておくのがおすすめです。

利用ルールやガイドラインというのは、「みんなが安心して過ごせる言葉遣いを心がけよう」「自分なりの楽しみ方でOK、他の人に強制しない」など、利用規約とは別で楽しみ方を明文化したものです。オーナーも判断に迷ったとき立ち返ることができ、会員にも「利用ルールにもある通り、こういうふうに楽しんでいきましょう」と声かけができます。共通の判断基準を作っておくことで、運営がよりスムーズになります。

もちろん、コンテンツも規模も変化していくのがオンラインサロンなので、ありたい姿が変わることもあります。その場合は、オンラインサロンの状態に合わせて利用ルールやガイドラインを見直し、変更していきましょう。ただし、一方的に変更するのではなく会員の声を聞きながら見直しを行うことや、あるいは変更の際に意図や背景を思っている以上に丁寧に説明することが重要です。

退会者に一喜一憂しない

コミュニケーションとは少し違いますが、会員との向き合い方に関わるので、最後に退会者についても書いておきたいと思います。結論から言えば、退会者が出たとしても、あまり一喜一憂しなくても大丈夫です。

どんな著名人のサロンでも退会する人はいますし、退会理由も様々です。「経済的に毎月会費を支払う余裕がなくなった」「そもそもオンラインサロンという空間が合っていなかった」など、会員側の理由も多くあります。退会者が出たからといってコンテンツを次々と変えてしまうのは、本当に狙いたいターゲットからズレたサロン内容になるリスクもあるのでおすすめしません。

ただ、退会アンケートなどで「思っていたのと違った」という理由が多くみられる場合は、SNSでの告知や紹介サイトの説明が実際のサロン内容とズレてしまっている可能性があります。必要に応じて、告知や紹介サイトの内容を変えるか、あるいはコンテンツを修正すると良いでしょう。

集客のポイント

「集客」はオンラインサロンが始まるときにも行いますが、始まった後も継続して取り組むケースが多いです。オンラインサロンが始まった後はターゲット像やニーズもより明確になるので、もっと多くの人にオンラインサロンを楽しんでもらえるように集客を行なっていきましょう。

オンラインサロン 集客

前提:人柄や想いが伝わるSNSで、熱量の高いフォロワーを獲得しておく

オンラインサロンでは、すでにオーナーを知っていて、なおかつ人柄や想いに惹かれている熱量の高い人が参加してくれるパターンが非常に多くなっています。そのため、普段からSNSを更新して熱量の高いフォロワーを獲得しておくことがとても重要です。

そのためには、人柄や想いが伝わる内容を地道に更新することが大切です。仕事や活動への姿勢、お客さんやファンへの気持ちなど、フォロワーにとって共感したり賛同したりできるポイントがたくさんある投稿を意識すると、熱量の高いフォロワーができて、結果的にオンラインサロンの入会にも繋がっていきます。

SNSで継続的にオンラインサロンを紹介する

上記を前提に、「SNSで継続的にオンラインサロンを紹介していくこと」がとても重要です。

「オンラインサロンを始めます」という最初の告知だけでなく、継続的に紹介を続けることで、新しくフォローしてくれた人にもオンラインサロンの存在を知ってもらえますし、すでにフォローしてくれている人にもの様子や魅力が伝わりやすくなります。

投稿がオンラインサロンの紹介ばかりでは逆効果ですが、普段の投稿に交えて地道にコツコツと継続して紹介を行なっていきましょう。

興味を引いて、紹介サイトに誘導する

SNSの短い文章ではオンラインサロンについて全てを伝えることは不可能ですし、長々と書いても読んでもらえません。そこで、「SNSでは興味を持ってもらうところまで」「詳細は紹介サイトで見てもらう」という考え方で発信していきましょう。

投稿文は短くていいので、「なんか気になる」「もっと知りたい」と興味を持ってもらえる文言を考えましょう。「こんな想いで始めました」「こんなことを楽しむ場所です」とコンセプトなどを伝えても良いですし、「先日は◯◯をテーマにしたオンライン交流会が盛り上がりました!」と近況報告をするのもおすすめです。

その代わり、投稿には必ず紹介サイトのURLを載せて、興味を持った人がそのまま詳細を見に行けるようにしておきます。せっかく分かりやすい紹介サイトを用意したので、ここでも徹底的に使いましょう。

実際の画面やイベントの様子を「チラ見せ」するのも効果的

オンラインサロンでの情報は基本的に転載禁止ですが、だからこそどんな内容で運営されているかの「チラ見せ」が活用できます。手軽な方法としては、実際の画面のスクリーンショットを投稿するのが良いでしょう。長い文章で説明されるよりも実際の画像を見れる方が何倍もイメージが持てます。それ以外だと、「最近こんなイベントをやりました!」「こんなテーマで盛り上がりました!」と交流会やイベントの写真・動画を載せるのも効果的です。

ただし、会員の書き込みを無断で掲載したり、顔や名前が分かる写真・動画を載せたりしないように注意しましょう。オンラインサロンの運営上、個人情報の管理には特に気をつける必要があります。

生の声であるクチコミが強い

オンラインサロンは入会前に運営の実態を掴むのが非常に難しいので、会員による「クチコミ」が特に有効です。入会を検討している人にとって、実際に参加している人の生の声ほど参考になる情報はないからです。

そのため、オンラインサロンの略称や愛称をハッシュタグにして「皆さんも #〇〇 を付けて感想をつぶやいてみてくださいね」と呼びかけるのがおすすめです。呟いてくれたらリツイートしたりシェアしたりして、フォロワーの目に触れるようにしましょう。

また、きっかけがある方がやりやすいので、交流会やイベントの後に「感想ならシェアOKなので、今日のことを気軽につぶやいてください」「この画像はシェアしても大丈夫なので自由に使ってください」と伝えるのもちょっとしたコツです。

あらゆる媒体・機会を活用する

ホームページや公式サイトがある場合は、トップページなど目立つ部分に紹介サイトのURLやバナーを入れるとより多くの人にオンラインサロンを知ってもらえます。また、YouTubeチャンネルがある場合は各動画の最後にオンラインサロンの紹介を入れたり、一般向けのイベントやセミナーの機会があれば最後にオンラインサロンの紹介をするのも効果的です。

特定の媒体だけではアプローチしづらい層も出てきてしまうので、あらゆる媒体や機会を利用して、オンラインサロンについて発信していきましょう。

プラットフォームを使っても、集客はほぼ自分次第

オンラインサロンのプラットフォームを使うメリットとして「プラットフォームのサイトに掲載してもらえるので集客がしやすい」という意見もありますが、実はプラットフォームを使うかどうかよりも、オーナー自身の地道な集客が大切です。

理由は、先ほども書いた通りオンラインサロンはすでにオーナーのことを知っている熱量の高いフォロワーの参加が非常に多く、「なんか良いオンラインサロンないかな」「あ、これ良いかも」とたまたま見つけて参加してもらえるパターンは少数だからです。

もちろん、プラットフォームでの掲載をきっかけにオーナーを知ってフォロワーになってくれる場合もあるでしょうし、「審査を通ったしっかりしたオンラインサロンなんだな」という印象を与えることはできるので、一定の効果はありそうです。

その他の作業について

オンラインサロンの運営では、上記に加えて、問い合わせ対応、入会・退会の対応などその他の作業も発生します。負担を軽くするための方法についてもまとめました。

問い合わせを減らす工夫

オンラインサロンが始まると、様々な問い合わせが届きます。これをゼロにするのは難しいですが、工夫をすることで問い合わせの数を減らし、負担を軽くすることはできます。

どんなオンラインサロンを運営するにしてもおすすめなのが、「よくある質問」や「FAQ」を用意しておくことです。問い合わせ内容のほとんどはいくつかのパターンに分類できるので、「困ったらまずはここを見てくださいね」という場所を用意しましょう。

さらに、掲示板などの形式で会員同士で質問・回答ができる場所を用意しておくのもおすすめです。アプリの使い方やちょっとした質問など、お互いに教え合って解決するものや、問い合わせへの返答を待つより慣れている人に聞いた方が早いものは、こちらで質問してもらうのが有効です。

また、新メンバー向けの案内も固定表示しておきましょう。特に多いのが入会前後の問い合わせなので、「まずは投稿を見たり読んだりして楽しみましょう」「慣れてきたら自己紹介をしてみましょう」「困ったら『よくある質問』を読んだり『掲示板』で質問したりして、それでも分からなければ気軽にお問い合わせください」と案内しておきましょう。

入会・退会に伴う作業をなるべく簡単にするには

入会・退会などに伴う作業も、負担が大きいとオンラインサロンの運営に影響してしまいます。特に複数のプランがあり料金がいくつかある場合や、1期生と2期生などに分けて管理したい場合に煩雑になりがちです。

プラットフォームを利用する場合は決済システムと会員情報が自動連携しているケースが多いので、プランや料金については特に問題ないかと思います。1期生と2期生などの分類については、機能としてグループ設定やグレード設定ができる場合もあるので、そうしたものを活用すれば会員管理がよりスムーズになります。

比較的負担が重いのが、プラットフォームを利用せず自分で各システムを用意する場合です。基本的にシステム同士が自動連携していないので、入会・退会に気づくには定期的に決済情報と会員情報を照合する必要があります。システム化しない限り負担を劇的に軽くすることは難しいですが、例えば、Googleフォームで申し込みフォームを作り、スプレッドシートに自動連携しておくなどの方法があります。シート更新を通知する設定にしておけば気づきやすくなりますし、入会時の情報を自動でデータ化することができます。

まとめ

ここまでオンラインサロンの運営について、コンテンツ提供・ミュニケーション・集客などのポイントを紹介してきました。

オンラインコンテンツを提供するときのコツは、読むだけ・見るだけでも楽しめる内容にした上で会員が書き込める場所も用意すること、定期コンテンツを作って曜日や日付を固定すること、「クローズドな空間」であることを生かして公式SNSとの使い分けをすること、 ”裏側” が垣間見えるような発信をすること、会員の投稿も含めて毎日何かしらの更新されるようにすることです。そうすることで、オンラインサロンの価値を感じてもらいやすくなります。

そして、オンラインサロンこそオフラインコンテンツを活用するのが有効です。直接交流してお互いの人となりや雰囲気を知ることでオンラインでのコミュニケーションが盛り上がり、活性化に繋がります。みんなで自由に話す「オフ会」「交流会」、テーマを絞っての「〇〇座談会」「〇〇を語る会」の他、オンラインサロンの内容に特化した様々なイベントもおすすめです。当日の様子をライブ配信したりレポートにしたりすることで、さらに多くの人の参加に繋げることができます。

コミュニケーションでは、コメントや投稿への早めのリアクションと温度感のあるコミュニケーションを心がけると、オンラインサロンを楽しんでもらう後押しになります。また、共通の判断基準となる利用ルールやガイドラインを作っておくことで、オンラインサロンの運営がよりスムーズになります。退会者が出ることもありますが、一喜一憂せず退会理由をもとに問題点を把握し、必要な場合には改善を実施していきましょう。

集客では、前提として熱量の高いフォロワーを獲得しておくことが重要です。その上で、SNSで地道に継続的にオンラインサロンの紹介をしていきます。興味をそそる簡単な投稿文と紹介サイトのURLを載せておき、詳細は紹介サイトで見てもらうようにします。実際の画面のスクリーンショットやイベントの画像・動画を添えて「チラ見せ」するのも有効です。会員のクチコミも生の声として注目されるので、ハッシュタグを作って感想をシェアしてもらいましょう。その他にもホームページや公式サイト、YouTube、イベントやセミナーなど、あらゆる場を活用してオンラインサロンを知ってもらうことが大切です。プラットフォームのサイトに掲載してもらうことも大切ですが、オーナー自身の地道な集客を頑張りましょう。

問い合わせも多くあるかと思いますが、「よくある質問」「FAQ」を設置したり、会員同士で質問・回答ができる場所を用意したり、新メンバー向けの案内を固定表示したりすることで、問い合わせを減らすことができます。会員管理についても、プラットフォームを利用する場合はシステムの自動連携やグループ・グレード設定を利用することで負担を軽減でき、自分でシステムを用意する場合はGoogleフォームとスプレッドシートなどを使うことで工夫ができます。

以上がオンラインサロン運営のコツですが、これらを全てやる必要はありません。また、最初から完璧にやる必要はありません。オンラインサロンの運営で最も大切なのは、データをもとに改善活動を続けることです。思いつきで新しいことをやるのではなく、投稿へのいいねの数・既読者数などを見て、「このコンテンツはこのテーマのときにいいねが多いから、次回の投稿で深掘りしてみよう」など、小さな改善を積み重ねていくことで、より満足度が高く盛り上がるオンラインサロンができていきます。

FANTSは、今回紹介したポイントを実践しやすい豊富な機能を用意しているオンラインサロンのプラットフォームです。数あるコンテンツをカスタマイズしてオリジナルアプリを作ることができ、集客をサポートする「SNSシェア機能」の利用、「よくある質問」の掲載なども可能。システムが自動連携しているので会員管理の負担も軽減されています。タレントやプロスポーツチームをなど様々なオンラインサロンに携わってきたプロデューサーも在籍しており、オンラインサロンの運営や改善活動に豊富なノウハウを持つサービスです。

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